人生における豊かさとは何か?価値観は人それぞれ【私の価値観】
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アーリーリタイアについて考える中で、人生における豊かさとはなにか?について頭の中を整理しました。
生きているからには豊かな生活をしたいと人間は考えると思います。
目次
飽食の時代になって、「食うに困らない生活」が豊かさの基準ではなくなった
かつて人類の進化の歴史は飢餓との戦いの歴史でした。飢餓を生き延びるために飢餓に強い体(脂肪を蓄えやすい体)に進化しましたが、飢餓に苦しむ人類がマイノリティーになった豊かな現代ではその進化が逆に肥満を助長することになっています。
飢餓に苦しむ環境においては日々を生き延びること、そして畑の開墾であったりそれぞれの労働に励んで「食うに困らない生活」を手に入れることを人生の目標にできる時代もあったと思います。しかし、日々の食事に困窮して栄養失調と隣り合わせの「絶対的貧困」は現代の日本においてはほぼないと思います。
飢餓の心配をしない「食うに困らない生活」をするだけなら豊かな日本に生まれたほとんどの人にとって難しいことではありません。日本に存在する貧困は「絶対的貧困」ではなく「相対的貧困」です。祖父が子どもの頃はお腹いっぱい銀飯(白米)を食べたいと願っていたと言っていましたが、現代の日本でそんな人はなかなかいないと思います。お腹一杯食べるだけなら難しくない飽食の時代になって、「食うに困らない生活」が豊かさの基準ではなくなりました。
時代が時代なら「今日も腹いっぱいメシが食えた。いい暮らしだ。」ということもあったでしょうが、現代ではそれだけで満足という人は少ないでしょう。
最低限の衣食住以外にお金を何に使うか?(お金で手に入る+αの豊かさ)
「食うに困らない生活」以上の+αの豊かさについて考えてみました。ほとんどの人が最低限の衣食住以上の+αのお金を個人差が大きいながらも手に入れることができると思います。その+αのお金を何に使うか分類してみました。
【①モノを買う】=物質的な豊かさ
夜景のきれいなタワーマンション、高級なクルマに乗る、高級ブランドのファッションを纏う。世の中は普及品よりも価格の高い高級品であふれています。つまりたくさんのお金が高級品を買うことに消費されています。
また高級品に限らずあなたが支払えるお金に応じて普及品から高級品まで多種多様なモノが世の中にはあふれています。+αのゆとりのお金で欲しいものを買い揃えることは豊かさの指針であるという消費志向性の高い考えであれば、収入に応じて賃料の高い物件に引越したり、衣服のグレードを上げたりするでしょう。価格が高い価格が高いモノは資産が多い人でないと買うことが難しいため、価格が高いこと自体に価値があると捉える考えかたもあると思います。
しかし、一方で必要最低限のモノ以外を持たないことで、モノに縛られない生活を目指すミニマリストの考え方もあります。
私自身は、高級品はあまり持っていませんが、モノがだんだん増えてきて家が手狭に感じるようになってきたので、モノを持つことによる豊かさとモノを減らすことによる開放感を天秤に掛けながら、生活しています。
【②サービスを買う】=体験する豊かさ
旅行、外食グルメ、習い事(教育)。どれもお金を消費したとモノとしては残りません。しかし、1日に最低限必要な食費の何倍もの費用で提供されているサービスも数多くあります。
旅行に行くためにお金を貯めている人もたくさんいるでしょう。自宅から遠く離れた場所で日常生活とは違う体験をすることができます。まだ行ったことのない場所に旅行することにとてもワクワクする人もいれば、とにかく家の中が一番という価値観の人もいるでしょう。
予約がなかなかとれない人気のレストランで食事をしたり、おいしいと評判の店を食べ歩いたりを楽しみに働いている人も多いと思います。肉はサシの入った神戸牛がいいという価値観の人もいれば、サシの入った肉は嫌いで近所のスーパーの赤身肉がいいという価値観の人もいると思います。
【③時間を買う】=時間的な豊かさ
モノやサービスを買うのとは意味合いが違いますが、一応時間を買うこともできます。どちらかと言えば労働で消費される時間を買い戻すという表現の方が適当かもしれません。
人によって収入や支出の状況が異なるので一概には言えませんが、おおよそ60歳や65歳の定年まで週5日程度働きその後引退して余生を過ごすというのがスタンダードな生き方であると思います。その定年前の時間を例えば10年分買い戻して、アーリーリタイア(自由な時間を買う)するということです。
お金をモノやサービスで消費してもあまり満足感が得られない消費志向性が低い人にはアリな選択肢かもしれません。しかし元気なうちはバリバリ稼いでバリバリ消費したいという消費志向性が高い人にとっては論外の選択肢だとは思います。
【④使わずに貯金する】
何かに使うためではなく貯金すること自体が楽しいという人もいると思います。お金はモノやサービスと交換するための手段として利用されていますが、本来の使い方とは違う気もしますが、使わないで貯めることに喜びを感じて節約に励む人もいるではないでしょうか。
使う目的は決まってないがお金を貯めることで、将来に対する不安が和らぐという人も多いと思います。
お金だけでは手に入らない豊かさ=人生の充実感
資産の大小が人生の充実感の大小とイコールであるとは限らない
お金でいろんなものが買える一方で、お金では買えないけど人生を豊かにするものもあります。人とのつながり(家族・友人・知人など)や他人に賞賛されるたり認められること、スポーツやコンテストにおける勝利、努力や自己研鑽を継続することで得られる人生の充実感はお金だけでは手に入りません。お金で買えないものこそ本当に価値があるという考えもあるでしょう。
一生食うには困らない程度のお金があっても、人生がつまらないと感じている人もいると思います。真剣に打ち込めることや目標がなく充実感がないことが原因なのではと考えます。アーリーリタイアすることになった場合には注意すべきポイントだと思っています。
打ち込めることや人生の目標があれば、人生の充実感につながる
「子どもを立派に育て上げる」、「独立して自分の店を持つ」、「営業成績で一位をとる」、「〇〇にタワーマンションを買う」、「〇〇でプロ選手になる」、「自転車で日本一周する」、「世界のすべての国を訪問する」、「南の島に移住する」、「漁で稼いで自分の船を持つ」・・・目標は自分が満足できるか打ち込めるかが大事なので、百人いれば百通りの目標があると思います。
一生遊んで暮らせるだけの金銭を既に手にしていても、引退せずに自己研鑽を続けて第一線で勝負を続ける有名人を始めとしたプロフェッショナルはたくさんいます。そんな一生打ち込めることを仕事として続けることは大変だけど幸せだと思います。
豊かさに関する私の価値観
私は消費志向性が低い人間です
投資で儲かっても、今ではほとんど消費には回そうと思いません。実際に百万円以上儲かった月でも、自転車で通勤して、昼はほっともっとの弁当食べて、晩飯は卵かけご飯にさばの缶詰という雰囲気の生活は変わりません。
昔、投資で儲かって月給の何倍も一気に消費してみたことがあったんですが、何を買おうかとか何に使おうかとか考えているときが一番楽しくて、実際に手に入ると価格ほどは幸福感を感じませんでした。ワンランク上の生活をするためにお金を使ってみたこともありました。普段よりもワンランク上の外食、服、家電、旅行・・・でもあんまり幸福感は上がりませんでした。幸福感が上がらない一方で勿体ないなっていう気持ちは高まりました。
その結果、余裕資金を+αでお金を使うのに回してもあまり満足感を感じられない消費志向性が低い人間なのだなと自覚しました。ということで、投資で儲かった場合はこんなの買いたいなって想像して楽しんで、使わずに再投資に回しています。
お金よりも時間に対して価値を感じます
私はお金よりも時間に対して価値を感じる方だと思います。平日の自由な時間を増やしたくて、年収は下がるけど残業の少ない会社に実際に転職したぐらいです。
毎月給料日前はピンチという状況であれば、臨時収入や給料アップは大きな価値を持つと思いますが、給料日を意識することはほとんどないという状況であれば、給料が上がっても幸福度はあまり変わらないと思います。下記の記事の1杯目の生ビールのたとえ話が分かりやすいです。私の場合もビール1杯の値段は同じなのに2杯目の幸福感は1杯目より圧倒的に下がってしまいます。
お酒が好きなひとなら、暑い日の喉がからからに渇いたときに飲む生ビールの最初のひと口ほど美味しいものはないことを知っているでしょう。しかしこの美味しさは2杯目、3杯目とジョッキをお代わりするにつれてなくなっていき、やがては惰性で飲むだけになってしまいます。
このとき、ビールの美味しさを「効用」といいます。ビールを1単位(1口目から2口目、ジョッキ1杯目から2杯目)追加したときの美味しさ=効用の変化が「限界効用」です。ビールを飲めば飲むほど(投入する単位を増やせば増やすほど)美味しさ=効用はすこしずつ減っていくので、限界効用が逓減するのです。
限界効用の逓減は、うれしいことにも悲しいことにもいずれ慣れてしまうという、ヒトの心理にもとづく普遍的な法則ですから、ビール以外にも(ほとんど)あらゆるものに当てはまります。もちろんお金も例外ではありません。
情報源;年収800万円を超えると幸福度は上昇しなくなる
これは多くの人が感じることかもしれませんが、大学生の頃たくさん自由時間があったのに、当時はその価値が理解できていなくてもったいない使い方をしてしまったなと社会人になってから思いました。
アーリーリタイア(時間をお金で買い戻す)を目標にします
モノやサービスでお金を消費するよりも、時間を買い戻すアーリーリタイアを目指した方が私の価値観では満足感が高いと考えるようになりました。
働いて貯金しているだけで40代でアーリーリタイアできるお金が貯まるような高給取りでは私はありませんので、投資と組み合わせていきます。しかし投資をすることで資金が減るリスクもあります。前記したとおりお金を貯めることが喜びという人にとってはお金が減るリスクは許容できないと思いますが、私にとってはお金自体は目的ではなくアーリーリタイアを実現するために使う手段であり、またアーリーリタイアを目指すことを当面の人生の目標にし生きがいとすることで、投資するリスクをとることにしました。詳しくは、後日別の記事で説明したいと思います。
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