【投資実績】倒産急増、工場閉鎖、入札制度スタートで太陽光発電はこれからが正念場
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目次
太陽光発電事業の倒産が急増
太陽光発電の買い取り価格の引き下げが続いて事業環境が厳しくなり、今年に入って太陽光発電事業の倒産が急増しているようです。太陽光発電事業に投資している身としては望ましい状況ではありませんね。かつてのようにやれば儲かるという事業環境から大きく様変わりしました。
◆太陽光発電の倒産2.2倍に 1~6月、買い取り価格低下で
太陽光発電事業で関連企業の倒産が急増している。帝国データバンクが10日発表した調査によると、2017年1~6月の倒産件数は前年同期比2.2倍の50件となった。買い取り価格の引き下げが続いており、事業環境の悪化が止まらない。
太陽光発電やシステム販売、施工を手掛ける企業を対象に調査した。負債総額は203億円で前年同期比で3.4%増にとどまったが、前年は1件で負債額が162億円に上った大型倒産が発生したためこの影響を除けば大幅に増加している。
太陽光発電では12年に固定価格買い取り制度(FIT)が導入された。だが年々価格が引き下げられ、17年度は当初の半額近くになり、市場の縮小が続いている。従来は販売や施工業者の倒産が多かったが、発電パネルの製造や周辺機器メーカーにも広がっている。
今年の4月には電力会社と契約していない発電事業者の認定が大量に失効する改正FIT法が施行されたため、倒産のペースが加速している。帝国データバンクは「17年の通年では100件を超える可能性がある」とみている。情報源: 日本経済新聞
パナソニック 滋賀工場閉鎖
発電事業者にとどまらず、発電パネルのメーカーにも影響が出ており、パナソニックが滋賀工場を閉鎖する事態になっています。買い取り価格低下で需要減少していることが要因でしょうが、製造ライン縮小ではなく工場閉鎖というのはインパクトが大きいです。世界全体の生産量は右肩上がりですが、メーカー間の競争が激化し、日本メーカーが中国などの海外メーカーに押される状況が続いています。
◆パナソニック 滋賀工場閉鎖
太陽電池を製造しているパナソニック滋賀工場(大津市瀬田1)の閉鎖が7日に突如、発表された。同社は県と大津市の幹部に意向を伝え、県庁では報道陣に説明して「地域には大変申し訳なく思う。雇用確保を前提に労使協議を進める」と述べた。地元には、地域経済へ与える影響に懸念も広がった。
同工場は1950年9月に三洋電機の工場として設立。洗濯機など家電製造の拠点として80年代には1300人程度の従業員がいた。2008年に太陽電池モジュールの生産を開始。11年には三洋がパナソニックの完全子会社化した。来年3月で生産をストップする。情報源: 毎日新聞
私の「太陽光配当金の収入 vs 再エネ割賦金の出費」
固定価格買い取り制度が開始してから5年が経ち、年々国民負担が大きくなっています。近所でアパート経営をしている大家さんが、数年前から太陽光発電事業を始めました。
土地や資金を用意できる人でないと自分で事業用の発電所を建設するのは難しいですし、気軽にできるものではありません。再エネ割賦金として国民全体からお金を吸い上げて、一部の富めるものへお金が流れる構図になっているのではないでしょうか。
◆再エネ買い取り 増す家計負担
再生エネ買い取り5年 国民負担は電気代の1割に拡大 論説委員・井伊重之
太陽光や風力などの再生可能エネルギーを決まった値段で買い取る「固定価格買い取り制度」(FIT)がスタートしてから、7月で5年が経過する。東京電力福島第1原発事故を受け、原発を縮小して再生エネ普及を促す仕組みとして導入されたが、ここに来て利用者が支払う賦課金の重さが目立っている。(産経新聞)情報源: Yahoo!ニュース
発電所建設よりもはるかに手軽に固定価格買取制度の恩恵を受ける手段として太陽光発電事業へのソーシャルレンディング投資があり、私も投資しています。この業界は政府の方針次第で大きく状況が変わるので、短期で満期が迎える案件に投資し、状況をみながら再投資するか判断する方針です。
私の「太陽光配当金の収入 vs 再エネ割賦金の出費」を確認してみました。下記のメガソーラーの案件に投資しており、毎月の配当金は税引き後で八千円程度です。一方で、再エネ割賦金の出費は電気料金の伝票を確認したところ月によって変動はありますが、エアコンで電気代が高い8月使用分で600円程度でした。
このことから、十分の1の10万円程度の投資額があれば、「再エネ割賦金の出費<太陽光配当金の収入」となることが確認できました。
【第11弾】メガソーラーローンファンド(第10次募集)
情報源:グリーンインフラレンディング
今秋から入札制度がスタートし正念場を迎える
再生エネルギー割賦金の国民負担の軽減を目的に入札制度がスタートします。いままで国が指定していた買い取り価格に市場原理が働くことになります。
太陽光入札で先行するドイツやフランスでも、入札による市場競争で買い取り価格の低減が図られています。下記の資料を見ると、太陽光発電の先進国ドイツでは、1kwhあたり7ユーロセント台(10円程度)と、この価格で事業計画が成立することは日本よりも進んでいると感じました。
太陽光発電の入札制度によって、価格に市場原理が働くことで、採算性のハードルが高まり、太陽光発電の価格競争力が徐々に高まっていくことは、持続的に発展していくことに大切だと思います。現在まで右肩上がりの再生エネルギー割賦金ですが、新しい事業に対する入札制度導入と過去の事業の固定期間終了によって、割賦金の上昇がゆるやかに抑制されればいいと思います。
太陽光発電事業における再生エネルギー割賦金への依存度が徐々に低下していき、自然な市場原理の環境で事業運営が行われるようになれば、割賦金による成長期がおわり経済的に自立した事業として定着していけばいいと思います。
「入札制度については、改正FIT法上、経済産業大臣は、①買取単価について入札を行うことが国民負担の軽減につながる際に、②入札対象の電源区分等を指定することができ、その際には、③入札実施指針を策定することとしている。」
政府は2MW以上の大規模な太陽光発電については今秋から、事業者を選ぶ入札制を導入する。
情報源: 資源エネルギー庁
注意事項
他のソーシャルレンディング会社への投資について
私はリスク分散のために、複数のソーシャルレンディング会社へ資金を分散して投資しています。ソーシャルレンディング会社の情報や私の投資実績については下記(ソーシャルレンディングのカテゴリー)をご覧ください。
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