65歳定年延長とアーリーリタイア
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政府が公務員定年を65歳へ引き上げる法案を来年度提出へ
公務員の定年を65歳へ段階的に引き上げる法案を来年度提出する検討に政府は入りました。現在のサラリーマンの定年は60歳が大多数ですが、この法案の成立により公務員が65歳定年に変わるインパクトは大きく、65歳定年が主流になっていくのではないでしょうか。
また単純に定年を5年延長すれば総人件費が増えてしまうので、給料や退職金を下げるといった総人件費の抑制策もあわせて実施されると思います。そしてこの公務員の定年延長+給料カットが決定した後にこれを大義名分として、民間企業でも定年延長とセットで給料カットを実施する企業が出てくるのではないかと思います。
65歳に定年延長した5年間の給料の原資は60歳以下の給料を下げることで捻出することになると考えます。これをシンプルに考えるとこれまで60歳まで働けばもらえたお金が、65歳まで働かないともらえなくなるというイメージです。
公務員定年延長、国と地方同時期 政府検討 段階的に65歳案を軸
政府は、国と地方の公務員の定年を同時期に引き上げる方向で検討に入った。現在の定年は原則60歳で、複数年かけて段階的に65歳まで引き上げる案を軸に調整する。複数の政府関係者が16日明らかにした。早ければ2018年の通常国会への法案提出を目指すが、総人件費の抑制策や、職場の高齢化を防ぐため、新人の確保も含めた定員面での工夫など課題は多く、曲折も予想される。
働き方改革の一環で、高年層の活躍を促すとともに、民間企業への波及や「生涯現役社会」への環境整備が狙い。実現には国家公務員法の改正、地方公務員の場合は各自治体で定年を記した条例の改正が必要となる。
内閣官房を中心に総務、財務、厚生労働、防衛の各省担当者らでつくる検討会が既に議論に着手。人事院も参加し、定年を引き上げるスケジュールや総人件費の抑制策について論点整理を進めている。
人件費をめぐっては、高年層の給与や退職手当の在り方が課題となる。地方公務員の定年は国家公務員に連動している。
公務員の公的年金は、受給開始年齢を60歳から65歳まで段階的に引き上げている最中で、現行では定年後に年金を受け取れない期間がある。
このため給与は下がるものの、定年後の再任用制度を利用する人が近年、増加。地方では新規の再任用職員が13年度の約2万人から、16年度には約3万5000人に増えた。情報源: SankeiBiz
65歳定年延長とアーリーリタイア
定年延長のアーリーリタイアへの影響について考えます。業績好調で定年延長とセットで給料カットは行わない企業の社員を除けば、定年延長の影響でサラリーマン時代の給料が下がるので、〇〇円貯まったらアーリーリタイアしようという目標を立てていた場合は、アーリーリタイア目標の達成が数年先送りになってしまうように思います。
定年延長の影響はアーリーリタイアの実現に関してはマイナスであると思いますが、アーリーリタイアすることの価値についてはプラスになると考えます。例えば50歳でアーリーリタイアする場合、60歳定年主流の社会では定年より10年早くアーリーリタイアしたことになりますが、65歳定年主流の社会であれば15年早くアーリーリタイアすることになり、定年年齢の主流が引き上がることによりその価値は高まると考えます。
下記の働き方改革実現会議の高齢者の就業促進に関する資料を見ても、65歳定年延長にとどまらず65歳以降もエイジレスに働ける社会作りを政府は進めていく方針です。働くことが好きな人もいると思いますので、65歳を過ぎても働きやすい社会作りが悪いことだとは思いません。生涯働き続けることが幸せな人もいると思いますし、50歳までにアーリーリタイアすることが幸せだという人もいて、価値観は人それぞれだと考えます。
「アーリーリタイア」は政府が目指す「生涯現役の社会」とは相反する生き方になるので、今後は基本的にアーリーリタイアしにくくなる方向に制度改正が続いていくことを想定し、余裕を持ったアーリーリタイア計画が重要になると考えます。
情報源: 厚生労働省 第7回働き方改革実現会議 高齢者の就業促進について 平成29年2月14日 塩崎厚生労働大臣 配付資料
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